臓器移植法:「脳死」から8年、身長も伸びた
脳死を人の死とし、15歳未満の臓器提供に道を開く臓器移植法改正案が18日、
衆院で可決された。「A案が成立すると、うちの子どものような生き方が認められ
なくなるのではないか」。
長男みづほ君(9)が「長期脳死」の女性=関東在住=は、A案の大差での可決
を知り、肩を落とした。
みづほ君は00年、1歳のとき、原因不明のけいれんをきっかけに自発呼吸が
止まり、脳内の血流も確認できなくなった。旧厚生省研究班がまとめた小児脳
死判定基準の5項目のうち、人工呼吸器を外して自発呼吸がないことを確かめる
「無呼吸テスト」以外はすべて満たした。それから8年、人工呼吸器をつけて
自宅で過ごし、身長は伸び体重も増えた。
この女性、最近色々とTVの番組に出ていますね。
「臓器移植法改正」と絡めて、レアケースとして引っ張りだこ状態なのでしょう。
私もフジテレビの番組で、この人の特集(?)を観たんですが・・・・
正直、私が同じ立場になったら、「出来ないなぁ」、と感じた。
何が出来ないのか?
●数年間も自宅で看護を続ける。
金銭的、肉体的にキツい。維持出来ない。
●未来に希望が持てない。
恐らく回復する見込みが無いであろうから、希望を持つ事が出来ない。
自分の身に何かあった場合、残された子供の面倒はどうなる?
●延命行為その物が残酷?
TVでこの子供の顔を観ましたが、表情も何もありません。
時々足を動かしたりもするのですが、それが反射なのか脳活動の復活の
兆候なのかは、不明。
私には、「生き方」ではなく「死なない様に生かされている」と見えた。
それが、その子にとって本当に幸せな事なのかが、理解出来ない。
レアなケースを持ち出して、「臓器移植法改正」の是非をどうこう主張しよう
とか誘導している様にも感じました。
個人的には、「臓器移植法改正」の重要な部分は、「脳死判定基準」(どういう
状態になれば「脳死」とするかのガイドラインとでも言うべきか?)にある
と思う。
そこを科学的に(医学的に)&倫理的にハッキリさせない(国民にも周知させて
いないとも感じる)で進めると、上記の記事の様なケースも含めて色々と問題が
出てくるんではないか?
A案がどうこう言う前に、そちらを十分議論し規定べきではなかったか?
少し無理してでも法改正しないと、国内のドナーが何時まで経っても増えない
って問題があるかもしれませんけど・・・
取り敢えず、衆議院ではA案で可決されましたが、「良識の府」ではどういう風に
なるか、注目したい。
「人間の死」と言う重要な問題ですからね。じっくりと検討してもらいたいです。